総合トップSS一覧SS No.1-066
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
森の一夜 マイナー志向氏 ディオ×アルラウネ 2004/01/04 -

トレントの森。樹の妖精の名を冠するこの森は「迷いの森」とも呼ばれ、幾多の冒険者を迷わせてきた。
一説には樹が動き回り道を変えてしまうからだ、と言われているが定かではない。
そして今日もまた犠牲者が一人・・・
夕闇の広がる森に、少年が一人立ち尽くしていた。
「・・・やべ〜、完全に迷った・・・」
ディオはそうつぶやき、近くの木の根に腰掛けた。荷物を探りながら今日の今までの出来事に思いをはせる。

――「最近依頼が無くて家計がピンチなの。だから今月のお小遣いはもう少し待って」――
――「え〜、明日欲しい本が出るのに・・・・・・そうだ!」――
――「ディオ、どこ行くの!?」――
――「夕方までには帰るよ、行ってきます!!」――

りんごを取り出し、一口かじる。黒檀とともにトレントから盗んだものだ。
トレントの持つ黒檀は交易品として、しかるべき所では高く買い取ってもらえる。
欲を掻きすぎてトレント達を深追いした結果、迷ってしまったと言うわけだ。
あらゆる能力に秀でた『にんじゃがしら』のコスチュームを着ていたための過信もあっただろう。
「調子に乗りすぎてたな・・・」
自嘲気味に笑い、りんごの芯を草むらに投げ捨てる。森はすっかり深い闇に包まれていた。
下手に動き回るのはやめよう。ディオは曼珠沙華で火を焚いて野営の準備を始めた。
「・・・・・・」
浅い眠りからぱっと目が覚める。『にんじゃがしら』の警戒能力の賜物だ。
寝たままの体を動かさずに気配を探る。小型のモンスターが5・6体、風上の方向。近づいてくる様子は無い。
気付いてないのか、戦う意思が無いのか・・・できるならそのまま離れていって欲しいと思いつつ、静かに懐の手裏剣を探る。

サワサワサワ・・・・・・

風が木々を通り抜ける。甘い香りがディオの鼻をくすぐった。
「・・・来た・・・」
その時、気配がゆっくりと近づき始めた。やはり戦う気か。
手裏剣を握る手に力が入る。間合いに入った瞬間に曼珠沙華で焼き払えば労せず全滅させられるだろう。
間合いまで後10歩・・・7歩・・・5歩・・・3歩・・・2歩・・・1歩・・・・・・

カラン・・・
ディオの手から手裏剣がこぼれ落ちた。

風上から流れてきた風には甘い香りだけでなく、麻痺を引き起こす花粉が混ざっていたのだ。
「きぃ」「にぃ」「りぃ」
動けないディオの前に現れた、意思を持った毒草のモンスター・・・いや、モンスターと呼ぶには似つかわしくない『少女たち』は15・6体程に増えている。
彼女たちにはいささか大きなローブの裾を引きずりながら、(髪と言うべきかは不明だが)紫髪と緑髪の少女たち、ベラドンナとウルフズベインたちがディオを中心に円を作って取り囲んだ。
(どうするつもりだ・・・?)
単に森への侵入者を殺すというだけではなさそうだ。何か目的があるらしい。
身体の状態を確かめると指がぴくりと動く。痺れが取れるのも時間の問題のようだ。

「ぴぃ」
声がすると囲みの一角が割れ、中に薄黄色の髪をしたマンドレイクが入ってくる。グループのリーダーだろうか?
マンドレイクの陰に隠れて、おっかなびっくりに白い花と栗色の髪が揺れる。マンドレイクに諭され、ディオの前に立った。アルラウネだ。
「みぃ・・・」
アルラウネはローブの下部を掴むと、恥ずかしそうに裾をたくし上げる。月夜に映える色白の脚に、ディオは一瞬心を奪われる。
ザザザザッ!!
刹那、ローブの中から飛び出したツタがまるで別の生き物のようにディオを締め付けた。何とか動かせるようになっていた腕は特に念入りに。
ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・
月明かりが照らす森に水音が響く。
「はっ・・・くっ・・・!」
下半身を裸にされたディオの硬くいきり立ったモノを、アルラウネがいとおしそうに口に含む。
たどたどしいながらも優しい小さな舌の愛撫に、ディオの僅かな抵抗も虚しく空回りした。
「んっ!!」
ビクン!!ビクンッ!!
アルラウネの口内に、濃い精液を放つ。口に収まりきらなかったものが溢れ出した。
それも手で受け止めて一滴たりともこぼす事無く、こくんこくんと飲み込んでゆく。

(・・・!?)
その時、アルラウネの頭に咲いている白い花が枯れはじめた。あっと言う間に花は落ち、実をつける。
そして、頭から転がり落ちた種子を輪の中の1人が大事そうに拾い上げた。
その光景に、ディオは彼女たちの目的を理解する。
(そうか、俺は繁殖の為の養分ってわけか・・・)

このままでは精根尽きるまで搾り取られてしまうかもしれない。
ディオは再び体の調子を確かめる。痺れはほとんどとれたようだ。後ろ手に縛られた手首を捻り、ツタを外そうと試みる。
「みぃ」
不意に、ディオの顔に何かが被せられた。同時に、さっきよりも濃い甘い匂いが立ち込める。
目の前には人間とほとんど変わらない――唯一、ディオを縛りつけているツタがまるで尻尾のように彼女から生えていたが――肢体があった。ローブを頭から被せられたようだ。
暗さに目を慣らすと、太腿の内側に雫が伝っている事に気がついた。それを舌で掬い取る。
「みぃっ!」
上の方から可愛い悲鳴が聞こえた。甘い。とても甘い。
首を持ち上げ、舌を上の方に這わせる。程なく蜜を湛えた部分にたどり着いた。そこに舌を割り入れる。
「み、みぃ・・・」
我慢が出来なくなったのか、ディオの顔の上に腰を落としてしまう。
地面にぶつけた後頭部が少し痛むが、首を持ち上げるのも辛くなっていたのでこちらとしては助かる。
割れ目を舌でなぞったり、割り入れたり。ディオの一つ一つの愛撫に彼女は敏感に反応する。恐らく始めての『繁殖』なのだろう。
ディオの体を縛るツタも力を失ってきていた。とどめとばかりにディオは彼女の中から直接、音を立てて蜜を啜った。

「――――――――――!」
声にならない声。生まれて初めての絶頂を迎えた彼女が叫び声をあげた。ディオは力を失った戒めから手を抜き、耳を堅く手のひらで塞ぐ。
「―――――――――――――――ッ!!」
しかし、彼女の声は塞いでいるはずの耳に響き渡り、ディオの脳に激痛を走らせる。
聞いたものに死をもたらすとさえ言われる彼女たちの叫び声、まさかイッた時の声までそうだとは。
天国のような快楽の後に地獄の苦痛。ディオの意識は、だんだんと遠ざかっていった・・・・・・
「・・・ん・・・?」
意識を取り戻したディオの目に飛び込んできたのは、窓から差し込む西日と見慣れた自分の部屋の天井、そして涙目の姉。
「ここは・・・」
「ディオの馬鹿っ!さんざん心配したんだから!馬鹿馬鹿馬鹿っ!!」
寝起きの頭をぽかぽかと叩かれる。叩かれることよりまだ痛みの残る頭を揺すられる方が痛い。
「ごめん、ごめんってば!」
(でも、これってそれだけ愛されてるってことだよな・・・)
そう思うと自然と笑みがこぼれる。
「俺の事探して運んできてくれたんだな、ありがと」
「多分交易品が目当てなんじゃないかと思って幾つかのダンジョンを廻ったの。それで、森の入り口のそばに倒れてたディオを見つけたわけ」
「森の入り口?俺、かなり奥の方で迷ってたはずなのに・・・」
「親切な人が運んでくれたんじゃないの?ほら、これがディオに掛けてあったから」
そう言ってメルは草色のローブをディオに渡す。ほのかに甘い香りが残っていた。
「・・・でもそこからクルールと2人で運ぶのは大変だったんだから。今は疲れて眠っちゃってるけど、後でクルールにも謝っておきなさいよ」
「うん、分かった」
「外傷は無いみたいだけど、どこか痛い所とか変わった所無い?」
頭痛はすぐに治まりそうだったので、これ以上心配をかけないように黙っておく事にした。変わった所は・・・・・・
「何か欲しいものとかある?」
「・・・メル」
「えっ?・・・んっ!!」
ディオの言葉が聞き取れず、顔を近づけたメルの唇を奪う。そして、力の抜けたメルを自分の布団の中に引きずり込んだ。

古来からマンドレイクやアルラウネは惚れ薬や媚薬など、その手の魔法薬の材料として重宝されている。
そんな成分をたくさん頂いてしまった若い男の子がこうなってしまうのは当然な訳で。

「ちょ、ちょっとディオ、まだ明るいし、クルールが起きちゃ・・・ひゃあんっ!!」
そんなメルの嬌声も聞こえなかったのか、クルールは未だソファーの上で心地よい夢の中だったりした。


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