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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
ゼロスとしいな 860氏(6スレ目) ゼロス×しいな 2003/09/22 -

クラトスとの決着をつけるためトレントの森に来たロイド達。

「いよいよ、クラトスと・・・」
「・・・ロイド、がんばってね。」
「・・・・ああ!」
突然、ゼロスがめんどうくさそうな顔をして言った。
「んでよ〜。りきんでるトコ悪いんだけど、どーせ1対1で戦うんだろ?
どーしてこのオレ様がロイド君の用事についてこなきゃならねーのよ。」
しいなが、コレに敏感に反応する。
「あんたねぇっ!ちっとは場の雰囲気ってもんが読めないのかい!
このアホ神子っ!!」
「ひゃー!こわいこわい。」
リフィルが、二人の間に入っていった。
「二人とも落ち着いて!今日はとりあえず、ここで休んでいきましょ。
これから自由時間とします。いいわね?」
「じゃあま、せっかくエルフの里に来わけだし、かわい子ちゃんのエルフでも
さがしてくっかな〜♪」
「・・・ったく!」
それから何時間もたち、誰からともなく宿に帰っていった。
二人の惨めなハーフエルフを除いて。
▽    ▽    ▽
そこは、昼間ハーフエルフのかわい子ちゃんを探し回っていた男の
いる部屋とは思えないほど片付いていた。

「それにしても、ロイド君もお人好しだねぇ。
親子の戦い、なんて大事な時にオレ様なんかがいてもいいのかよ・・・。」
窓越しのベッドに寝転んでボヤいた。
ふと外を見ると、肩を並べて歩くロイドとコレットの姿があった。
「なーんだ。まだ起きてたのかよ。ったく、ガキは早く寝ろよ。ガキは。
明日に備えねーといけねーんでしょーが。
あーあ。なーんでコレットちゃんもロイドなんかがいいのかねぇ。
どうせならオレ様と・・・・って、オレ様とコレットちゃんじゃ釣り合わねぇか。」
後ろには、そんな彼を見守る黒髪の女性が立っていた。
「あんた・・・なかなかいいトコあるんじゃないか。」
「!?」
驚いたゼロスがベッドから転がり落ちた。
「いでっ!しいな〜!いつからそこにいたんだよ?!」
自分のせいでゼロスが頭を打ったという事を棚にあげて、平然と言う。
「さっきからずっとだよ?」
「入って来る音がしなかったんだけど・・・?」
しいなは得意そうに言う。
「あたしはこれでも忍者だよ!?イガグリ流、藤林しいなを
なめないでもらいたいね!」
「・・・あーそうですか・・・。」
あきれ顔でゼロス言った。
「あんた、普段とは大違いじゃないか。一人の時はいつもこうなのかい?」
急に真面目な顔で聞く。
「・・・いつもあんなで、神子がつとまるとでも思ってたのか?」
どこを見るともなく、視線を宙にただよわせながら答える。
「そうかい・・・。そうだよね。あんたも、あんたなりに苦労してんだもんね。」
それから、しばらく沈黙が続いた・・・
雰囲気を和ませようとしたのか、突然ゼロスが妙に明るい声で言った。
「いや〜!それにしても、エルフって美人様が多いな〜!
オレ様感激だぜ。メルトキオから移住でもして来よっかなァ♪」
だが、返ってそれが逆効果だった。
「・・・・あんたって女ったらしな割にはあたしにはあんまりかまって来ないね。
べ、別にかまって来たらうっとうしいから、いいんだけどサ・・・。
あたしって、そんなに駄目な女かい・・・?」
しいなは、ゼロスに背を向けた。
「本気だからに決まってんじゃねーの。」
「・・えっ?!」
「なんでもねェよ。」
しいなが、あらためてゼロスの方を向き直した。
「あんたは、この戦いが終わったらどうするんだい?」
「そうだな・・・。そしたらオレ様も、やっと神子から解放されるって訳だ。」
「そして、また普通の遊び人に戻っちまうのかい?ま・・・ま、なんだかんだ言って
あんたモテてるからねぇ。」
しいなは少しうらやましそうに言った。
「へっ・・・。オレ様なんざ神子じゃなくなっちまったらただの・・・
おっと。オレ様らしくねェな。お前は・・・どうするんだ?」
「あたしは・・・くちなわの事もあったし、里には帰れないかもね・・・。」
「・・くちなわさえあんな事してなかったら、全部うまくいったのになぁ?」
「全くだよ・・・。くちなわの奴・・・。」
「そいつは違うんじゃねェか?確かに、くちなわも悪いだろうけどよ、
オレ様には奴の気持ちも痛いほどわかるぜ。それに、しいな。お前が
里に帰れないのは、くちなわのせいじゃなくて、お前自身が自分の
した事の重さをわかってるからだろ?」
その時の彼は、滅多に見せない真剣な顔つきだった。
「それは・・・。」
「オレ様は、お前がその重みを忘れない限り、里の奴らは
お前を受け入れてくれると思うぜ。」
向こうを向いていたので、泣いているのかどうかは
わからなかったが、しいなの背中は確かに震えていた。

「ゼロス・・・ありがとう。あたし、もう寝るね。」
彼女は扉を開けた。

「おう。さぁ、帰った帰った!オレ様はこれからいそがしーのよ。
リフィル様の所やプレセアちゃんの所も回らねーといけねーしな。
夜はまだまだこれからだぜぇ〜。うひゃひゃ♪」
そう言ったっきり、ゼロスはしいなが部屋から出て行くのを確認すると
すぐに眠ってしまった。
▽   ▽   ▽
翌朝

ロイド達はオリジンとの契約を無事終えた。
「コレットを助けないと!」
ロイドが意気込む。
「うん!早く行ってあげよう!」
ジーニアスもこれに賛同する。
「あーあ。コレットちゃんがいないんじゃ、オレ様の旅の楽しみも半減しちまうぜ。
早いとこ助けにいってやらねーとな。待ってろよ〜。コレットちゃん♪」
「まったく、あんたはそういう事しか考えてないのかい!このっ!」
「いってぇ〜!さわらぬ神にたたり無しだぜ。」
「なんだって!?」
「おいおい二人共、今はそんな時じゃ・・・

彼らの旅はまだ終わらない・・・・


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