総合トップSS一覧SS No.2-021
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 192氏(2スレ目) ディオ×メル 2003/01/09 -

「・・・メル、眠れないのか?」
「ディオ?・・・うん」
星空のきれいな夜、テラスに2つの人影。
姉弟の名はメルとディオ。
前世の罪のために精霊ノルンによって生み出された存在。
明日、彼らは『カオスの洞窟』でその罪と、闇の自分と向き合う。
「ディオスとメルティア・・・って言ったっけ?私たちの前世。・・・私たち、勝てるのかな・・・?」
「何だよメル?俺たちだってあれからうんと強くなったじゃねーか」
「うん・・・」
人としての感情を手に入れるための12の精霊の試練の直後、2人は1度彼らと対峙し、そして負けていた。
ノルンの助けが無ければ今ごろ生きてはいなかっただろう。
言いようの無い不安。そのまま2人は黙り込んでしまう。
「なあ、メル。そろそろ寝ないと明日辛いぞ」
先に沈黙を破ったのはディオだった。
「うん・・・・・・ねえディオ、一緒に寝ない?」
「・・・え?」
「クルール、ディオのベッドでしょ?だから私のベッドで」
突然の提案にディオは驚いたが、結局ディオはメルの部屋に来ていた。
ベッドは2人で寝るには少し狭く、ディオとメルは密着する形で布団に潜り込んだ。
「でも、今までホントに色々な事があったよな・・・」
「そうね・・・ノルンに出会ってから、世界を救った時空戦士達に会って・・・
 すずちゃんと一緒に入った温泉、とっても気持ち良かった・・・」
「チェスター兄貴に弓を教わるなんて、普通じゃ絶対出来ないもんな」
2人は天井を眺めながら、今までの旅の中で経験したたくさんの事を楽しげに話していった。
「それにしても、クラースさんもクレスさんも兄貴もすっげー奥手なんだよな、ホント。
 好きなんだったらもうちょっと積極的にさ・・・」
「・・・ねぇ、ディオ」
不意にメルがディオの言葉を遮り、ディオの方を向く。
「ん?」
「ディオには好きな娘とかいるの?」
「!?」
「ほら、前にカリプソとか言う女の子に頼まれ事されたでしょ?『あたしの王子様になって!』なんて。
 あの時ディオったら即答でOKしちゃうんだもん、びっくりしちゃった。もしかしてあの娘に一目ぼれとか?」
「ち、違うって!あの時はたまたま王子様の服を着てなりきっていたからで・・・」
「ホントかなぁ?・・・それじゃあ他の誰か?それともいない?」
「・・・笑うなよ?」
「うん」
ディオも振り向き、メルと向き合う。
「・・・・・・メル」
「・・・え?」
「俺、メルの事が好きだ」
「私・・・?」
「・・・最初は家族とか姉弟としての『好き』だと思ってたけど、何か違ったんだ。
 何て言うんだろ、・・・うまく言えないけどさ、一人の女の子として・・・」
「・・・ふふっ・・・」
「な、何だよ!笑わないって約束じゃねーか!」
ディオは顔を真っ赤にしてメルに背中を向けてしまう。
「ごめんね。それじゃ、私も教えてあげる」
「・・・・・・・・・んっ!?」
振り向いたディオの唇が突然塞がれた。
目の前にはメルの顔、そして唇に柔らかい感触・・・
メルが口を離す。ディオはさっき以上に真っ赤な顔をしていた。
「私も、ずっとディオが好きだったよ。弟として、そして一人の男の子として」
メルの手がディオの手に重なる。ずっと同じ大きさだと思っていた弟の大きな手。
「この手で、何度も私の事を守ってくれたよね・・・本当にありがとう・・・」
「メル・・・」
ディオはメルをギュッと抱きしめた。メルもディオに抱きつく。
優しい香りがディオの鼻をくすぐった。メルから感じられるシャンプーのいい香り・・・
「ちょ、ちょっとディオ・・・」
「・・・! あ、いや、これはその・・・」
不意に、メルが漏らす。丁度メルのお腹の辺りに何か固いモノが当たっていた。
「お、俺そろそろ自分のベッドに戻るよ・・・」
ばつの悪そうな顔をしてディオがベッドから抜け出す。
「待って、ディオ」
そんな気まずい空気から逃げようとするディオの手をメルが掴んだ。その手を引っ張りメルが耳元で囁く。
「・・・・・・しよっか?」
星明りの下、2人は何度も唇を重ねながらじゃれあうように互いの服を脱がしていく。
1枚、また1枚・・・ 最後の1枚には2人同時に手が掛かった。
生まれたままの姿になって、もう1度抱き合う。
「・・・ひゃっ・・・・・・んん・・・」
メルの首筋に優しく舌を這わせると小さな吐息が漏れた。普段のお姉さんぶりとは違う、可愛らしい声。
ディオはもっと聞きたくなって、その下の膨らみはじめた胸まで舌を這わせた。
「ひゃん・・・ディオ、くすぐったいよ・・・」
「そ、そうか?」
「うん・・・だから・・・お返し」
キスの代わりにディオの頬を舐めると、そこから首筋、胸と同じように舌を滑らせる。
「わ・・・ひゃ・・・」
我慢しているのか、メルより小さな声をあげる。
双子だから気持ちいい所も同じなのかな、と思いメルは少し微笑んだ。

恥ずかしさと戸惑いからしばらく続いた舐め合いも、長くは続かなかった。
ディオが更に下、メルの濡れている部分まで舌を這わせる。
「ん・・・はっ・・・・・・ひゃっ・・・」
濡れた直線に沿って何度も舌が伝う。その度にメルは声をあげ、そこはますます濡れていく。
「あっ・・・んっ・・・でぃおぉ・・・」
刺激が強すぎるのか、メルの眼は潤んで涙目になっていた。ディオはもう1度メルの頬にキスをした。
「ねぇ、ディオ・・・こんな事するの初めてなんでしょ・・・何でそんな落ち着いてるの?」
不意にメルが尋ねた。
「当たり前じゃねーか!・・・でも、何でだろ・・・」
「ふふっ、ベッドの下のアレ。アレで予習でもしてた?」
「げっ、な、何でそれを!?」
ディオのベッドの下には以前、ディオがクラースからメルに内緒で貰ったHな本が隠されていた。
「前にディオの部屋の掃除をしてた時にクルールが見つけてきたの。隠すならもう少し分かりにくい所に隠せば?」
「ちぇっ、クルールにはよく言っとかなきゃな・・・」

とは言え、その本で予習していたと言う指摘はあまり当たってはいなかった。
ディオの頭の片隅にぼんやりと、次に何をしたらいいかが浮かんでいたのだ。まるで前に何度もした事のように。
その事について1つ思い当たる事がある。自分たちの前世、ディオスとメルティアだ。
あの2人も同じ事をしてたのかな、と思うと少し可笑しくなった。
ただ、せめて今は明日の辛い戦いを思い起こさせまいと、メルにはその事は伏せておいた。
固く張り詰めた部分とびしょびしょに濡れた部分。2人の躰も限界にきていた。
「メル・・・もういいか・・・?」
メルは喋らず、しかし首を縦に振って肯定の合図を出した。
「いくぞ・・・」
「うん・・・優しく、して・・・」
「・・・できたらな」

「あぁぁっ!・・・ひゃっ!・・・やっ!」
一瞬の苦痛の声の後、メルの嬌声が響き渡る。
意外なことに、初めてのはずなのにあまりメルに苦痛は無かった。
「はっ・・・くぅ・・・・・・んっ!」
唇を重ね、舌を絡ませ、激しく腰を使い・・・
何度も肌を重ねた相手のように、互いの躰に快楽を与え合う。
どんなに果てぬように我慢をしても、経験の無い2人にはすぐに限界が訪れた。
「メル・・・俺、もう・・・・・・はっ・・・」
「ひゃっ! ・・・ディオ・・・・・・私も・・・んんっ!」
メルの漏らした甘い声を合図に、ディオが激しく動く。
真っ白になりそうな頭で、互いを求めて強く抱き合う。
「ディオ・・・ディオっっ!!」
「・・・メル・・・くっ!」
「「あっ・・・はっ・・・あああぁぁっっ!!」」
シンクロするかのように同時に、2人の嬌声は協奏曲を奏で、ディオはそのままメルの上に崩れ落ちた。

星の明かりだけが差し込む暗い部屋で、静寂の中2人の吐息だけが響いた・・・
「ねえディオ、まだ起きてる?」
「ん・・・ああ」
行為の後、小一時間眠った2人はシャワーを浴びて再びベッドに入っていた。
「身体、大丈夫か?どこも痛くないか?」
「うん、大丈夫。ちょっと疲れちゃったけどね」
「そっか、良かった」
「ほら、あたしの心配はいいから早く寝なきゃ。明日に差し障るわよ」
「・・・ちぇっ、またお姉さんぶってさ。さっきまでは甘えた声出してたのに・・・うわっ!!」
ディオの顔にメルの枕が命中した。
「ばかばかばかっ!何てこと言うのよっ!」
メルは顔を真っ赤にしてディオを枕でばしばしと叩く。枕は柔らかいので全く痛くは無かったが。
「くっ・・・ははは・・・はははははは・・・」
「ふふっ・・・あははははは・・・」
どちらとも無く笑い出し、またベッドに入った。
「・・・明日、頑張ろうな」
「・・・うん、必ず生きて帰ろ」
「帰ったら・・・またしようぜ」
「・・・・・・ばか・・・」
2人は手をつないで、目を瞑る。互いの温かい体温が心地よかった。

     ――――おやすみ・・・――――


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