総合トップ>SS一覧>SS No.2-092
	
		| 作品名 | 
		作者名 | 
		カップリング | 
		作品発表日 | 
		作品保管日 | 
	
	
		| おんせんみるく | 
		たっちゃん氏 | 
		エロ無し | 
		2005/02/25 | 
		2005/02/26 | 
	
「ぷはぁ……温泉と言えばやっぱコレだよねぇ」
 お酒を飲みながらアーチェさんはそう言っていました。
 正直、温泉でお酒を飲んだ事がないので何がどう良いのか解らないのですが。
 その隣では、ミントさんが呆れたような顔で、お酒をぐいぐい飲むアーチェさんを見ていました。
 止めるという事も既にあきらめているのでしょう。
「それにしても、本当に気持ち良いですよね。わざわざ遠方から来られる方々の気持ち、本当に良く解ります」
 そう言ってほっと一息つくミントさん……そこだけを見ると、とても18歳のお姉さんとは思えない様な気がするですが。
 まぁ、時々歳不相応なのはこの人の場合対して珍しい事でもありませんが。
 私は私で普通に浸かっていました。アーチェさんのように、お酒とまではかなくとも甘酒でも飲んでみようかとも思いましたが、
 お風呂に浸かりながら飲酒をするのは良くないらしいのでやめました。
「うぃ〜ひっく……ところですずちゃん……ちょっといいかね?」
「何でしょうか?」
 一体何本目か解らないくらいのとっくりを開けたアーチェさんが、突然私に話しかけてきました。
 何というか……すっごくお酒臭いですが。
 私の隣まで来たアーチェさんは、ミントさんの方を指差しながら私にこう耳打ちしました。
「ほら……アレどう思う?……ひっく」
 アレ……と言われても正直何の事か解りませんでした。
 其処にはミントさん以外誰もおらず、何か珍しいものがあるわけでもなかったですから。
「あぅ〜……その……ひっく……あの浮かんでいるアレ……ひっく……どうよ?」
「……あ〜……なるほど」
 アーチェさんの一言で何を指しているのかやっと解りました。
 そう……そこに浮かんでいるアレの事を言っていたのですね。
 湯面にプカプカと浮かんでいる、ミントさんの豊乳……この際、爆乳とでも言うべきでしょうか。
 実に羨ましく、実にけしからん存在の事を言っていたのですね。
 しかし、アーチェさんの質問にはどう答えるべきでしょう?
 正直、私はまだまだこれからですし、歳が歳ですからそれほど羨ましいとも思わないのですが。
 まぁ、アーチェさんからすれば羨ましいのでしょうね。
「何ていうか……ひっく……うぃ〜……浮かぶって凄くない?」
 手をワキワキと動かしながら、あまりよろしくない笑みを浮かべつつそう言うアーチェさん。
 何をしようとしているのかはあえて聞かないことにしました。
 と……そこで私はちょっと面白い事を考えました。通常状態のアーチェさんならまず通じないでしょうが、
 今の酔っ払っているアーチェさんなら案外引っかかるかもしれません。
 そう思うが早いか、私はアーチェさんにちょっとした嘘を言ってみる事にしました。
「アーチェさん……アレは浮かんでいるのではありません」
「え?……ひっく……ソレどういう意味?」
 出だしは完璧です。
「アレは……浮かべているのです」
「へ?……ひっく……うぃ〜……な、何の為に?」
 ……い……いくら酔っているとは言え、こんなにもあっさりと術中にはまられると、なんだかちょっと呆れてしまいます。
 ですが、とりあえず続ける事にしました。
「湯面にモノを浮かべる……つまり、それを使うために浮かべていると思われます」
「ふむふむ……ひっく」
「おもちゃを浮かべているときは、それで遊ぶために。お酒を乗せた盆を浮かべているときは、そのお酒を飲むために」
「……ひっく……ま、まさか……うぃ〜」
「そうです……あれは……ミルクを飲むために浮かべてあるのですっ!!」
「な、何だって〜っ!!(AA略)」
 ……自分で言うのもなんですが……正直頭が痛くなりました。
 ですが、何となく面白い事になりそうなので更に続ける事に。
「その上……アドネードのミルクは、その成分に『おっぱいをぱよんぱよんにする』モノが含まれており、
 飲むだけでたちまち豊乳になれるのですっ!!」
「……す、凄いよママンッ!!コレでアタシも豊乳美人っっ!!」
 誰がママンですか。しかしまぁ……酔っ払ったアーチェさんはある意味最強ですね。
 きっとこのあと楽しい事が……って、なんかもうミントさんの所まで行ってますし。
 あの人本当に人間ディスカ?
「あら?アーチェさんどうかなさい……きゃあぁぁぁっっ!!??」
「ミィィィ〜〜ンン〜〜トォォォォッッッ!!!その乳飲ませろやぁ〜っ!!」
 アーチェさんは、ミントさんに抵抗する暇を与えさせない内に、
 その爆乳をしっかりと鷲づかみにして、一気に吸い付き始めたのです。
「い……嫌ぁぁぁっっ!!……あっ……ふんっ!……あぅ」
「んっ……んん〜〜っっ!!」
 あの……えっと……あんな話を真に受けて、本気でミントさんのお乳を飲もうとしているアーチェさんが、
 もの凄く怖いものに見えるのですが。
 それに……もしかしてミントさん……感じています?
「おいクレスッッ!!これはスゲェぞっ!!」
「何だよチェスター……覗きはよくないってアレほど」
「いいから見れみろって……ほらっ!!」
「まったく……どれどぐっはぁぁっっ!!!こ……これはぁっっ!!??」
 ……チェスターさんにクレスさん……最低です。
 とりあえず声のしたほうを見てみると、どうやって開けたかは不明ですが、覗き用の穴が二つありました。
 で、その穴を通してこの光景を見ているようです。
 何となく腹のたった私は、その穴に指をつっこんでみました。
「ぎゃああぁぁっっっ!!」
「い、痛ぇぇぇぇぇっっ!!」
 天誅です。
 んで、ミントさんとアーチェさんの方ですが……えっと……アーチェさんの頭に沢山のたんこぶがある様な気がするのですが?
 と言うか……ミントさん……体中から殺気が?
「はぁはぁ……さて……すずちゃん……ちょっといいかしら?」
「ひぃっ!?」
 引きつった笑顔で話しかけてくるミントさんに、私はこれ以上ないくらいの戦慄を覚えました。
×月□日
 今日ほどミントさんを怖いと思った事はありませんでした。
 流石に、胸の谷間で窒息死させられかけるとは思いもしなかったです。
 そして、あの後覗きがバレて血反吐ぶちまけるまで殴られた、クレスさんとチェスターさんに合唱です。
 もう……乳はこりごりです。
終ろう
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