総合トップSS一覧SS No.3-095
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 358氏(15スレ目) スヴェン×ノーマ 2005/09/28 2005/09/28

「よぉ!ノーマじゃないか!いやいやいや、久しぶり〜」
あたしは開いた口が塞がらなかった、泊まっている宿の食堂で、
クーと一緒に昼食をとりながら、「いかにしてセネル・クーリッジを落とすか」について熱い論戦を(主にあたしが)繰り広げ、
とりあえず押し倒せ!という結論に至ったところで、
片手を軽くあげつつなれなれしく話し掛けてきたのは、死んだと思ってたあたしのししょーだった。
「……え?なん…で?」
「な〜にマヌケ面してんのよ、なに?ひょっとして俺の事忘れちゃった?ひどい奴だな〜、むせび泣くぜ俺は、それはそれは常人には聞こえない超音波でだな…」
長広舌。ていうかなによ超音波って、普通に泣きなよ。
そう言ってやろうと思ったが、胸から勝手に何かが溢れてきて言葉がでて来ない。
「……っく………ひ…」
期待と不安がゴチャまぜになる。大体…まだあたしのバカししょーだと決まった訳じゃない、
ザマランのジジイあたりの陰謀かもしれないし………だから落ち着いてあたし。
「……ふぇ……ぇく…ふぇぇ………」
クーがあたしをかばうように、ししょーとあたしのあいだに立ち塞がった。
「ゴメン、クー、これあたしのししょー」
そう言う代わりにそっとクーを押し退け、
ししょー睨めつけた、視界がやたらにじんでるから、しょうがなくおもいっきり顔を近づけて覗き込む。
やに下がっていた表情が、優しげな微笑みに変わる。
見慣れたかお、黙ってれば学者然とした、整った顔なのに、口を開くせいで台無しである。
手をのばし、勇気をふりしぼって、その頬に触れる。
温かく、柔らかい感触。
頬に触れた手はそのままに、眼を覗き込む。
軽口ばかり叩いている口とは裏腹に、穏やかで優しい光を放っている。
間違いない、ししょーだ。
その時、急にししょーの胸が近付いてきた、本当は近付いたのではなく引き寄せられたのだと気付いたときには、
体はししょーの腕の中にすっぽりと収まっていた。
「……心配かけてすまんな。ただいま、ノーマ」
「……っく……しっ……しょー……ししょー……うわあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
もう駄目だった、胸から込み上あげる何かは、あたしの体からすら溢れだした、
クーも、周りにいるほかの客も考えなかった。
あたしは世界一愛しい人を抱き締めかえした。


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