総合トップSS一覧SS No.4-068
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
想いの果てに ケン氏 キール×メルディ 2005/12/17 2005/12/30

 最初は野蛮な異邦人で、研究対象でしかなかった。なのに、屈託に笑う彼女の純粋さに惹かれる自分がいた。
 暗い孤独を知っている少女をいつの間にか、世界よりも守りたいと思った。傍にいたいとも。
 いつからか、その思いは、醜い心に変わっていく。触れたいという思いが、抱きしめたいという衝動に変わる。
 ――気が付けば彼女をベッドに押し倒してしまっていた。

□ ◆ ■ ◇

「ん・・・キール?」
 静寂が包み込む中、ぼくたちは先程まで笑いあっていたはずなのに――
「どうし・・・んっ?!」
 突然の行動に驚き問う唇を塞ぐ。最初は軽く、だんだん深く。
 小さく開かれていた唇を舌でまさぐり、歯列をなぞる。逃げようとする舌をつかみ取り味わうように絡めた。
「ぁ、はぁ・・・キール?」
 唇を解放し、覗き込んだ瞳は潤んでいた。紫水晶を思わす様なそれは、僅かながら不安げな色を残す。
 ――多分何の行為かわからず、自然と体が怖がっているのだろう。
「どうしたか?」
 ベッドに押し倒された形となっていたメルディは体を起こそうとするが、いまだ覆い被さるキールを制そうとする。
 そんな彼女の行動に気が付いたのか、彼はメルディの両腕を左手で掴むと、ベッドに押し付けた。
「っ!・・・な、ナニするか?!」
 押し付けられた手首から鈍い痛みが走った。

「じっとしててくれ」
「ふぇ?・・・あ?!・・・はっ・・・」
 掛けられた言葉はいつもと変わった低い声。
 それと同時に暇を持て余していたキールの右手が、ワンピースの裾から侵入する。辿り着いた先は成長中の小さな膨らみ。
「んっ・・・は・・・あ・・・」
 優しく包み込むようにして揉みしだく。そして、徐々に凝っていく膨らみの頂点を、男性特有の硬い指が触れる度、メルディの口からは甘い吐息が漏れた。
「やっ・・・ん、キール!」
 抵抗しようとするが、押さえつけられた体は言うことをきかない。それどころか、耳にかかるキールの吐息が、絶え間なく熱い。
(ん・・・これ、あの話に、似てる・・・?)
 確か、過去に教えてもらったお話。愛し合う者同士がする行為。まさか、今自分たちの行為がそれであるとは、メルディは気が付きもしなかった。
 ふ、と気が付けば、着ていたはずのワンピースが脱がされている。それと同時に、捕まれていた両手が自由を訴えていた。
 頬を染めながら、いまだにキールの手のひらがもたらす微妙な感覚に身を委ねる。もはや、抵抗する思いは無い。
「キール・・・」
「何?」
 ベッドの横に掛けられていたであろうワンピースが、床に落ちたのがわかった。
「服・・・」
「ああ、邪魔だろ?」
 キールは、口の端を持ち上げてニヤリと笑った。そして、彼自身も着ていた服を脱ぎ捨てると、少女の秘所へと手をかけた。

□ ◆ ■ ◇

「ひゃぁっ・・・!!ぁっ!」

 途絶えることなく愛撫では続く。
 熱い想いを放つ濃紺の瞳が、うっすらと潤む薄紫の瞳を覗き込む。そこには、不安や恐怖と言った色は感じられない。
 残っているものは、互いを求め合う想いの色だけ――
「んっ!き、るぅ!」
 茂みの中でうごめくキールの指が、快楽と言う名の波を呼び寄せる。
 その度に体が大きく反応し、口からは甘い嬌声が漏れた。
「ここがいいのか?」
「ふぁっ!キー・・ル、もぅ、ああっ!」
 一際高く鳴いたメルディの秘所からは、キールの指に絡み付く程の熱いものが漏れる。
 溢れ出す蜜がキールの欲望を徐々に張り詰めさせるのがわかった。
 誘うようにひくついている秘洞に、キールは自分の欲望に手を添え、メルディの体を――貫いた。
「ひぁぁぁぁんっ!!」
 差し入れられたものは熱を持っているかのように熱い。でもそんなことを気にしている余裕はない。
 貫かれた華奢な体は突きを射れる度にとめどなく蜜が溢れ出し、メルディの快楽を訴えていた。
「やぁ!はっ・・・んんっ」
 キールが彼女の中で動く度、結合部からはぐちゅぐちゅと淫らな音が響き渡る。
 それと同時に聴こえてくるのはメルディの甘い声と、キールの小さな呻き声。
 互いの声に翻弄されながら、二人の快感は一気に上り詰めていった。
「メルディ、メルディ・・・」
「ふぁ・・・あっ、キールぅ!」
 求めあうように名を呼びながら、いつしかお互いの背中に腕を回して、襲い狂う快楽に耐えようと飛びそうになる意識を必死で繋ぎ止める。

「んっ!はっぁ!もぅ、だめぇっ!!」
 小さな体がビクビクと反応する。背中に回された腕が痛いぐらいにしがみついて限界を訴えていた。
「くっ・・はっ!」
「ひぁ!あぁっ!!・・・はぁ、あっ、あつ、いよぉ・・・」
 低く呻くと同時に、キールの快楽の証が彼女の胎内にまき散らされた。
 同じ時にに絶頂を迎えたメルディは、自分の中で動く彼の欲望を愛おしそうに感じていた。

□ ◆ ■ ◇

「メルディ、すまない・・・」
 ことの終わり、同じシーツにくるまって並んで手を繋ぎ荒い息を整えながら、キールが小さく謝罪の言葉を述べた。
「んーん・・・メルディ、キールがこと、好き・・・だから、な?メルディがこと、ちゃんと、愛して」
 引き寄せられるように唇を交わす。青の瞳が困惑な表情で揺れた――が、メルディはにこりと微笑み、再び口を開く。
「いっぱいな、たくさんたっくさん、愛して・・・」
「ああ」
 少女の言葉に小さく呟くと、キールはもう一度メルディに覆い被さると、シーツに踊る淡い紫の髪に顔を埋めた。


終(われ)


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