総合トップ>SS一覧>SS No.6-097
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
時をかける聖(性)女 |
564氏(26スレ目) |
リアラ |
2008/07/23 |
2008/10/16 |
「あなたは英雄じゃない……」
ラグナ遺跡最深部。
カイルは、巨大レンズから飛び出してきた神秘的な少女の、
全てを悟ったかのような台詞に、立ち尽くすしかなかった。
握りこぶしを作って歯噛みしながら、去り行く少女を見送る少年。
くそっ、悔しい。悔しいのに、オレは――
遠ざかる少女の背中――その大きく露出したうなじに、少年の視線は注視されてしまっていた。
「……正直なやつだなぁ」
隣にいる、褐色肌に銀髪を飾った青年が、少年の心情を悟ったように呟いた。
「うっ……くふ……」
カイルたちが完全に見えなくなった所までくると、
巨大レンズより出でし神秘的な少女――リアラは、両肩を抑えてうずくまった。
整った造形のおもてには朱が差し、全身は炎天下にいるかの如く火照っている。
「……んっ、ふうぅっ……っもう。いきなり、なんなのよ……」
息を荒げながら、弱弱しく吐き捨てるリアラ。
そこらに子犬でもいれば、この哀れな少女に歩み寄ってきたかもしれない。
しかし、彼女が今望むのは――
「……は、早く……早く――」
――抜きたい。
どういうわけか、生まれたばかりの聖女は、性的欲望に飢える性質にある。
かのエルレインも例外ではない。だからといって、ウブな彼女のこと、
異性――さっきの金髪ツンツンの男の子とか――との交合はしまいという考えに至っていた。
むろん、抜くのであれば、誰にも見られないところでする必要がある。
「と、とにかく出口へ……!」
彼女が足を駆ろうとした瞬間だった。
遺跡の最深部の一つ手前となっているこの部屋に入ってきたのは、僧服や軽鎧に身を包んだ男三人。
彼らはリアラをみるなり、それぞれ異なる思い思いの表情が露になった。
好色そうに舌なめずりする者、仇でもみたかのような怪訝な目を向ける者、頬を上気させて顔を逸らす者……
代表して、訝しげで厳しい目付きの、年長と思われる壮年も峠の男が、リアラの前に歩み出た。
年頃の娘でもいるのか、彼女の破廉恥ともいえる服装に、サーベルの様な視線を刺している。
「おいお前! こんなところで何をしている!」
壮年の男の言葉は、少女の耳には届いていない様に見えた。
リアラは顔をうつむけて、垂れた暗茶色の前髪で双眸を隠しながら、
呪いの言葉でも吐くのかという雰囲気で口を開き始めた。
「去りなさい……あなた達も英雄じゃないわ……」
ビシッ、と、男達は少女の台詞に、確かに戦慄を覚えた。
が、壮年の男は妥協を知らないようで、無謀にも更に近寄り、問い詰める。
「そ、そうか。お前も巨大レンズを取りにきたんだな! そうはさせんぞ。あれは我々が……」
「わたしは聖女なのよ! 早くどきなさいっ!!」
「ひっ、ひいっ!」
さしもの壮年の男も、これには仰け反らざるをえなかった。
華奢であどけない美貌を持つ少女のどこに、こんな剛毅さが備わっているのか。
そう思ってしまう程に、鋭い叱声が男達に叩き付けられた。
ただならぬ雰囲気を発している‘聖女’に、彼らは無意識に道を開ける。
まるで聖者の行進を感じさせる光景が、そこに広がっていた。
去り行く少女の背中――その大きく露出したうなじ。
畏怖に満たされそうな彼らでさえも、少女のうなじは視線を一身に集めるほどに魅力的だった。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
リアラは、かつて水路だったろうその道を、華奢な少女とは思えない速度で疾走していた。
とにかく、一刻も早く出口へ――
そう思った矢先のことだった。
ENCOUNT!
ウェアウルフ×1 スライム×1 グレムリン×1
順に、前衛・中衛・後衛の配置で、リアラに立ちふさがった。
「くっ……こんな時に!」
リアラは、蒸気が上がりそうな身体を奮い立たせ、手に持つロッドを構えた。
ほんの一瞬、自分がウェアウルフに獣姦される姿が脳裏によぎる。
首をぶんぶん振ってそれを掻き消し、モンスター達を視認した。
後方ではグレムリンが詠唱を始め、スライムは微動だにせず様子見、そして、ウェアウルフはリアラに突進してきた。
「……風神招!」
大気を纏った杖をかざすと、眼前に小規模な竜巻が展開。
疾駆速度を緩められずに竜巻に自ら当たりに行ってしまい、斬り裂かれるウェアウルフ。
「流蓮弾!」
さらに追い討ちの水弾が三発命中し、ウェアウルフは消滅。
何故か一抹の惜しみを感じた自分に、リアラは少し腹を立てた。
と、そこへグレムリンの追炎弾[フレイム・ドライブ]が襲来。
魔法防御で防いだが――
「――! ああぁっ!!」
隙を狙われたのか、いつの間にか接近していたスライムの粘液が胸にかかり、嬌声を上げてしまうリアラ。
淫猥な想像をしてしまったことも相まって、彼女の堪忍袋は切れる一歩手前まで及んでいた。
「……護法連っ!」
ドスのきいた声で叫び、地属性の結界がスライムをふっとばした。
そして、すぐさま全身に赤いオーラを立ち昇らせ、炎晶術の詠唱に入る。
「降り注げ爆炎! 一陣の焔、愚者を覆いつくさん! 爆焔弾[バーン・ストライク]!」
キィン、という発動音と共に杖が振るわれると、何かが焼ける音が上空から響いた。
そして、天より飛来する紅い塊――爆焔弾が三発、順々に、モンスター二体の周辺に着弾。
爆音と煙が辺りを包み込む。
「はぁ……はぁ……はぁ……! くうっ……」
身体の疼きを抑えきれないリアラは、ふいに下腹部を抑えた。
すると、いきなりスカートをたくしあげ始め――た手が、ふいに止まる。
「……ダメ。ここじゃ、ダメよ……」
意を決して呟いたリアラは、スカートから手を離すと、再び出口に向かって疾駆し始めた。
自分が闘っていたモンスターの安否などは、すでに頭から抜け落ちてしまっていた……
「っ! きゃっ……」
リアラが部屋に入った瞬間、視界に飛び込んできたのは、深淵[アビス]の如き暗闇の広がる大穴。
彼女は危うく自ら飛び込む寸前で足を止め、その場にへたりこんだ。
発展途上の胸に手を当て、口を丸く開きながら瞑目し、なまめかしく息をつく。
「はぁ……はぁ、もう。危なかった……でも、これは……」
よく見るや、この大穴は底が見えている。
しかも、すぐ側にはロープが垂れ下がっており、いかにも「降りてください」といわんばかりだ。
行って見る価値はありそうね――判断を下した彼女の行動は早い。
すぐさまロープにしがみ付き、手足を使って上手く降り始めた。
そこはまさに、ステレオタイプの‘遺跡’だった。
辺りにはガラクタや岩場が散見し、周囲を岩壁に囲まれた空間であった。
全体的に鮮やかな翠色の色調も相まって、やや地味な庭園をも思わせる場所だった。
良かった、誰もいない――人もモンスターも見られないことに、彼女はほっと胸を撫で下ろす。
これでようやく抜くことができる。
えっちな想いを頭に巡らし、顔をだらしなくニヤけさせながら、リアラはこの空間の通路へ向かい、歩いていった。
荘厳ささえ感じる両側の緑壁に目をやっている内に、なにやら奇妙な機械がリアラの視界に映った。
「……これは?」
分析装置――天地戦争時代に造られた機械の呼称。
そこに入った者(物)の詳細なデータを、機械音声によって読み上げる代物だ。
――といったことを知らないリアラは、邪さを感じさせない幼子の足取りで、分析装置に足を踏み入れた。
キュイィン、と閉まる両ドアー。
中は、円柱状の狭くて青い部屋、といった様相だった。そして――
「っひああぁんっ!」
肢体に微電流を当てられ、悶え声を発するリアラ。
両手で上半身を覆い、目と口はみだらに半開いている様は、聖女に似つかわしくないものだった。
キュイィン、とようやく両ドアーが開くと、リアラは両手をだらんとぶら下げながら、
フラフラと翠色の地面にうつ伏せになった。
「名前:不明。性別:女。身長:155cm。体重:41Kg。3サイズ:76・52・77……」
機械音声が、リアラのデータを告げる。
「……も、もう我慢できないわ……」
息も絶え絶えに言い捨てると、今度はフラフラと起き上がった。
膝が笑っているのが、どうにも誤魔化しきれない。
彼女は、危なげない足取りを動かしながら、元来た道を戻り始めた。
確か、自慰を行う場所として、いいポイントがあったはず――
そんな考えを巡らしつつ、予め目星をつけて置いた木陰まで足を運ぶと、
もたれかかるようにして寄りかかり、腰を下ろした……
「くふぅ……はぁ……んっ……あぁん……」
少女は、右手でスカート越しに股間を押し付けながら、左手は胸を弄っていた。
彼女の服の構造上、脱ぐことはなしに直接胸を触ることが可能なのだ。
ある意味、胸に直接当てる下着より無防備といってもよい。
そして、彼女の胸の大きさが控えめなのもあって、
今はネグリジュドレスのみが、彼女の上半身を被う一糸の布なのだ。
が、リアラは今、気分を高揚させるためかネグリジュドレスの肩紐を両方とも降ろしてしまった。
まるで幼女の如し平らな胸板が露になる。
「んっ、くっ、はっ……あんっ、あんっ、はんっ……」
あえぎ声を発することで、快感を高ようとするリアラ。
目はきゅっと閉じられ、今誰かが来ても気付かなそうな雰囲気でさえある。
「……えっ? 何? ……はんっ! あぁあん!」
急に疑念の声を上げたあと、ひときわ高く鳴くリアラ。
何故か、彼女の感覚に入ってきたのは、あの金髪ツンツン頭の少年だった。
その少年が、自分の背後から双つの突起をつまんでいるという感覚に襲われたのだ。
「やだ……なんであんな男の子なんかに……英雄じゃないのにっ……んんっ!」
自慰行為の最中に、無粋な邪魔をされたくない――
早くイきたくなってしまったリアラは、足をM字に開きながら、スカートをたくし上げた。
男からすれば絶景であろう。
広がった白い太もも、その付け根に座する白い薄布……これを見て理性を保っていられる若者は、まずいない。
「んっ、ふぅぅっ……はぁあんっ!」
早速、下着の中に右手を滑らせるリアラ。
その最下層は既に蒼く濡れており、いやらしい染みを作っていた。
「……あんっ! あぁん! ……やっ、あん! あぁっ! はぁああ――!」
ぐちゅ、ぐちゅ、と発せられる水音。
行為に興じながらも、無意識の内に、自らの下着を片手で起用に剥いでゆく。
彼女の脳内では、あの金髪の少年――カイルに、胸を弄られつつ秘所を探られる映像が展開されていた。
それを疑問に思うこともなく、リアラは一心に右手を動かし続けた。
「やっ! はぁっ! ……だめっ、イくっ! イっちゃう!」
陰部から出ずる突起を激しくこすりつけ、迫り来る快楽の波に身を委ねる――!
「はんっ! あんっ! …………ふぁあああぁぁぁんっ!――」
全身を弓なりに大きく仰け反らし、ビクビクとわななかせる。
秘所からいきおいよく放出する愛液は、中々とどまる所をしらず、未だに潮を吹いている。
焦点の合わない虚ろな視線、口元から垂れる涎、股間に当てられたままの右手……
そのはしたない姿は、このうえなく‘性女’の名を戴くに相応しい容貌であった――
ダリルシェイドの牢獄。
カイルとロニの二人は、いわれのない理由でここに投獄されていた。
「ねえロニ、あの子どうしてるのかな?」
カイルの発言は、ごくごく自然に発せられた。
「さぁな。今頃どっかトんでるんじゃねぇの?」
案外間違ってもいないロニの台詞。
しかしあの服、そうとうやらしかったな……お姉さま方が着たら犯罪だぁ――
などと、エロ妄想を膨らませるロニであった。
あの子の服、エッチだったなあ。家帰ったら抜こうかなぁ――
こっちはこっちで、抜く予定を立てるカイルであった…… fin?
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