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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 β氏 ユーリ×リタ 2008/08/25 2008/10/24

「ついに明日か…」
と嘆いたのは、黒髪の長髪を持つ青年。ユーリ・ローウェルだった。
首を上に持ち上げて視界へと入ってくる要塞、タルカロンは彼の人、
デユークを乗せアスピオを突き破り、星喰みと対峙するため空へと浮かぶ。
「星喰み…か」
ヒピオニア大陸南西で、現在最終決戦ヘ向け、様々な武具素材を求めて世界を回っていたのだった。
キャンプより少し離れた場所にある岩場、その上に仰向けに寝転がっている。
「ざってぇモノを過去の奴等は残してくれやがったモンだな」
今見上げている空は、奇妙な黒い列が連なり、空に空いたトンネルに見える。
それらが星喰みが産み出した世界を潰す化物の列であることは知っている。
過度なエアルが収束するところへ行き、そのエアルを食い尽くす。エアルの総量を減らすため。
「俺らは、世界からエアルの繁栄を失くそうとしてるんだな…」
仲間の一人、魔導器に関する豊富な知識を備えた賢人。
リタ・モルディオの頭脳が叩き出した答えは、
世界のあらゆる所に広がる魔導器の原動力となる核を精霊というマナの生命体に変えて、
それらの力を用い、星喰みを消す。が、自分たちとは別の方法で、
しかし犠牲となるのは星喰みとは別に人を要するという選択をしたデュークを、まず止めなければならない。
「デューク…本当に敵対しなきゃならないのかよ…」
空に手を向けてみても、向こうがその手を掴むことはないだろう。
道は相容れない、しかしそれでも、どこかでお互いの意見を交換し、最良の選択をすることはできたはずだ…
「無理よ。アイツ多分頭固いだろうからね」
近寄ってきたのは、彼の天才学者。リタだった。
「起きてたのか」
と体を起こす。
「何行ってんの。見張りよ。見張り」
「今日の見張り俺だろ」
「そういうアンタがサボってんじゃないのよ」
と両手に腰を当てて怒る。
「じゃーなんだ?代わりにやってくれるってのか?」
「ちっ違うわよ。アンタが眠そうにして……寝てるのが少し見えたから、起こしに来ただけよ」
「そうかい。でもこうして起きてるんだからお前は寝てろ」
と言って、ユーリは再び上半身を岩の上に倒す。

「あのさ…」
と声が聞こえたので、瞼を瞑って、口だけ動かす。
「なんだ?」
「ちょっとさ、話に付き合ってくれない…?」
「いいけどよ、そういうのはエステルにしてやればいいじゃねぇか。希望が詰まった返答がもらえるぜ?」
「誰でもいいのよ。まともな答えが貰えれば」
「誰しもまともな答えを返すとは限らねぇぞ。お前の質問に、答えは必ず一つなのか?お前が望む答えを、俺が言えるのか?」
「そう言われると……厳しいわね」
「だろ。自分を鼓舞するためにも、聞いてて元気になるような話ができる奴がいいんだよ」
「そう……なのかな…」
「そうだよ」
とユーリは話を打ち切った後、岩から降りて、静かに話した。
「何に悩んでる?」
「色々よ」
返答はすぐに返ってきた。
「魔導器が無い世界のこととか、デューク、タルカロン。アスピオの事とか…」
「エステルの事とかな」
「うぐっ…」
「心配性なんだよ。なるようになるだろうが、ならない時は、俺らが支えればいいさ」
「そうは言ってもね…あたしとか、この世界が変わった後、どうやって生きていけばいいのよ」
彼女の町、学術閉鎖都市アスピオはタルカロンにより壊滅した。
「俺に聞くなよ。ろくなアドバイスできねーし。どうだ?下町で暮らすか?」
「行く当てないじゃない」
「じじいの…っと…ハンクスじいさんのとこでも行けばいいじゃねぇか。孫か孫娘を欲しがってたぜ」
「やよ。古株の家なんて」
「我侭なんだな」
とユーリは目を細めた。
「う、ご…ごめん…」
「………は?」
細めていた目を見開く。
「な…なによ」
ユーリはリタを奇異の目でしばし見つめた。
「なんつった?」
「え?」
「今、何て、言った?」
「え、だから『ごめん』って」
「謝ったんだよな?」
とユーリは首を捻る。
「わ…悪いの…?」
と聞いてくる。ユーリはそのままリタの目前に近寄って、その頭をぐしゃぐしゃと掻き回した。
「な…なにすんのよ!」
「イヤ。良い答えだ」
「え…?」
「俺ぁてっきりアンタだったら『悪かったわね」とか言うと思ってさ。素直で結構ってこった。皮肉の数倍いい」
「………」
「早く寝な。明日も早いからよ」
そう言って、ユーリは先程座ってた岩に向かって歩き出す。

「あのさ…ユーリ」
「ん?」
足音が近寄り、いきなり、とん、と何かが背中に優しくぶつかった。振り返らずとも、ユーリには判る。
リタは、この旅で大きく変わった。最初の皮肉は、彼女の自尊心から来ていた。
何も出来ずに、しかし楽しそうにはしゃぐカロルと自分を比べ、優劣を付けてしまう。
何事も、自分より勝っているのなら、突き飛ばし、劣っているのなら、けなす。
そういう彼女も、エステルと会ってから変わっていた。
単純に、できないのなら同等になれるまでフォローして、
できるのなら、それを遥か高みへ目指せるよう、応援する。
素直なエステルの気持ちは、リタの心の鎧を剥がしていった。
「あたし…」
「言うなよ。ガラにもないだろ?」
ただ一つ、ユーリが気付いていないことがあった。
「でも…」
「素直になるのはいい事だな。でも素直じゃないのは、短所じゃない。見方を変えれば魅力にすらなる。フレンだって、やたら帝国主義だったこともあったが、それでもあいつは世界を救おうと必死だったんだ。な?」
「うん…」
「でもな」
と、ユーリは自分の腹へ両手を添えた。
「こういうのはまだ早い。ガキなんだから」
と、前に回ってきていたリタ両腕を引き離した。
「え…?あっ!違うわよっこれは、そゆんじゃなくて…///」
「………………ったく、しょうがねぇな」
とユーリは膝を折って、ほんの一瞬、リタに唇を重ねた。
「え……?」
リタは一瞬目を見開いた後、すでに背を向けてしまい、
歩き出しているユーリの背中に少し寂しい表情はするものの、
「いっ…いきなりなにすんのよっ!」
と口調を強め、いつも通り、術の詠唱の構えに入った。
「お?そういうことじゃなかったのか。間違ってたら悪いな。水に流してくれ」
と言って、岩場の上で再び寝転がり始めた。
その態度に気勢を削がれ、身構えたまま、周囲のエアルの密度だけが減ってゆく。
「何よ……何のよ…もぅ」
「ほら、お前も早く寝ろよ」
「あ、うん…ていうか!『お前も』って何なのよ。アンタが寝ちゃ意味ないでしょうが!」
「言われてみりゃそうだな」
「あんたのテンションって時々判んないわよ」
とリタが口を尖らせた時、
「そういうリタも時々すっぽ抜けた事言うな」
「何よ」
反論されたのでリタの怒りによるエアルボルテージが上昇していく。
「周り、と、上、見てみな」
可能な限り広範囲をな、と補足した後ユーリは静かな寝息を立て始める。

「周り…上…?」
とリタは目を眇め、遠くや真上を眺めてみる。しかし、特に変わった点は無いように見える。
何があるってんのよ、と言おうとした時に、ユーリが目を開けてリタに向けた。
「結界」
「え…?………ア」
リタとユーリ。少し離れた所で野宿してるメンバー達の周りには、薄い緑色の壁が立ち上っている。
そして頭上には細く、しかし視認できるぐらいの太さで結界の証となる輪が展開されている。
野宿用に結界を展開させたのだ。
「あ…そっか。結界張ったんだっけ」
「な。どこか抜けてるだろ」
「ちっ、違うわよ。これはちょっと忘れてただけで」
「そういうのを抜けてるっつーんだよ」
「う…うるさいわね!」
リタはユーリに大股で近づき、その額に円を描いて曲がっている親指と中指。
すなわちデコピンの指を伸ばした。
刹那、
「俺それ弱いんだよ。痛いから」
と、急にユーリはリタの伸びた手首を握って離れさせようと上に引っ張った。
すると、引っ張りすぎたのか、
「あっ」
リタがユーリの上に倒れこんで来てしまった。
「っと……悪い悪い」
手は上に持ち上げたまま、ユーリは詫びを入れた。
「……………」
「おい、どうした?」
「心臓の音が聞こえる……」
ユーリは常時軽装であり、体の前の中央が開いてるような服をしていて、
リタは丁度そこに耳を持っていっていた。
「何やってんだ…」
とユーリはリタの肩を掴んで引き上げようとした。しかし、
「……………」
リタは目を瞑って静かに呼吸を繰り返すだけだった。
「やれやれ…このままの体制じゃ動けないな。誰か助けてくれねーかな。あ、でもおっさんは遠慮したいな。来たら来たで言いふらしそうだからなぁ」
「何一人でブツブツ言ってんのよ」
「やっぱり起きてやがったな。それじゃ、早くどいてくれ」
「何でよ…もう少しこのままでもいいじゃない…」
「なに。そんなに俺の事気に入ってくれたのか?ありがてぇな」
「ば…馬鹿っ!そんなんじゃないのよ!ただ、これは…//」
「言い返せないのは図星の証拠だ。諦めな」
「う……つーん、だ」
「逃避行に走るなよ」
「うるさい…わね…」
と、徐々にリタの声音が小さくなってゆく。
「おいおい、待てよ。本気で寝るつもりか?」
「だい…じょうぶ……も少ししたら…降りるから…」
「ほんとかよ…」

そして時間がたって数分

「………っ……ん…………」
「やっぱりなー」
時々寝相やら寝息しかしなくなってるリタと、呆れているユーリが岩の上にいた。
可能な限りずり落ちない様に、ユーリは不本意ながらもリタを抱いている。
「どうするか…んっとにおっさんでもいいから助け呼ぼうかな」
「………」
「誰か助けてくれねぇかな。この状況…」
とユーリは片手で顔を覆うようにした。正直言うと小恥ずかしい。
「こうするしかねぇのかな…っと」
ユーリは何とかリタの顎から頬に掛けてを右手で持って、持ち上がった顔に、
「さっきはあっさりしちまったけど…実際面と向かって…ってのは難しいな」
口付けをする。リタの顔が呼吸不全か、もしくは別の何かによって歪み、ユーリは顔を離した。
「んっ……なに…?」
とリタが顔を上げる。
「起きたか?」
「ん……も少し寝かせてよ…」
と目を擦りながらユーリの体から離れようとした。しかし、
「ん……?」
「あ、悪い悪い」
「え…?なに…アンタ…ずっと抱いてたの?」
徐々にリタの目がさめて言ってるのが判る。弁解しようとユーリが口を開いた。
「あ、いや。いくら寝てても流石に落ちたらいてーだろな…と思って」
「何よ…どうせ退けるんなら落としても良かったじゃないの」
「落とされたいのかよ。お前は」
「そういう意味じゃないわよ」
「そうかい」
「それよりもさ」
「あ?」
「離してくれない?」
「あ、そうだな。悪い」
「いや…悪…くはないけど…さ//」
「何か言ったか?」
とユーリも上半身を起こした。
「なっ何でもっ!誰も嬉しいなんて言ってないから!」
「自分で言ってるよ」
「だーうっさい!」
ついに癇癪を起こし、両手をさながらギアの如き神速で振り回すリタの攻撃を、剣の鞘で全て受けきった。しかし、
「あ、動くな」
と突然ユーリが言った。

「え?」
少し厳しい表情でユーリは、
「いいから、動くなよ」
とだけ言うと、リタの服の胸部に手を伸ばす。その先は、
「え…?ぎゃああ!」
リタの絶叫が響く中、
「動くなって。取るから」
ユーリの声も少し上乗せされる。
リタの服の上で、ユーリの体を伝ってきたのか一匹の体調5cm程の大き目のハサミムシが這っていた。
その虫の尾と腹部の間接、丁度刺されない所をその服の生地もろとも器用に掴む。
「ひゃっ……!」
「取るだけだって。動くなってのに」
と少し苛立ってきたユーリは虫をそのまま引き離し、ぽいと捨てる。
「な?動かないほうがこっちも助かるんだよ」
「そ……そうよね…」
リタは少し前屈みになりながら何とか返答する。
「どうした?」
「な、なんでもないっ!」
そういいながらも…
(こいつ、今どこ掴んだ…!?狙ってたんじゃないでしょうね…!?)
半ば半狂乱になっていた。
「ならいい。お前もとっとと戻って寝ろよ」
と言って再び背を向けるユーリに、
「あ…アンタは、一緒に寝ないの?」
ここにリタは『あんたも皆の場所で寝ないの?』という意味を含めていた。ユーリも皮肉と受け取ったのか、
「あぁ。考え事をしたくてな」
とあっさり踵を返す。
(あ……)
リタは胸中に広がる穴が空いたような気持ち―――喪失感に似た気持ちをその背に覚え、
「ま……待って!ユーリっ!」
と、ユーリを引き止めた。
「なんだ…?……っ…」
リタはそのまま走り寄り、振り返ったユーリの胸に飛び込んだ。
「………リタ…お前」
「ご……ごめん…でも…」
「…ったく…しょーがねぇな。ほら、来な」
とリタの手を引っ張って岩場に連れて行った。

「ここでいいか」
と言って、奇妙な術式が刻まれた小石を取り出した。
「あ、結界石…」
「一つ無駄になるだろうが、いいだろ」
と地面に転がす。ある程度、周囲数メートル円方に結界が展開される。
「それで、何か言いたいことでもあるんじゃないのか?」
「う…流石にバレるわよね…あれじゃぁ…」
「バレる以前だろ。俺ぁてっきり誰かに見せ付けてんのかと思ったぜ。カロルとかが起きてたりしてな」
「もしそうだったら、どうする?」
ユーリは仰向けに寝転がった。
「どーもしねぇよ。責任あるの俺じゃなくてリタだし」
「ちょっ…なんであたしなのよ!」
「何か言いたいことがあって止めたんだろ。手短に済ませろよ」
「あ……あの…あたしが昔と今じゃ違うっての…自分でも重々承知してるんだけど…」
「それが?」
「その、エステルだけのお陰じゃないってこと」
「当然だろ。俺やカロル達の立場が無くなっちまう」
「ううん。その中でもアンタだけ、あたしが皮肉言っても反論とか、あたしが嫌がるようなことしなかったでしょ…?」
「そりゃそうだ」
「なんで…?」
「皮肉ってのは悪く言えば嫌がらせだけどな、良く言えば指摘されてんだよ」
「よくそういう解釈できるわね」
「フレンがよく言うんだよ。昔、事あるごとに俺が負けて皮肉漏らしても、アイツは嫌がりもしたが、それで自分を叱咤してやがったんだ。今更思うと笑えるぜ」
「ちょっと話変わるけどさ……アンタこの旅が終わったら、どうすんの?」
「旅続けるさ。性に合ってんだろうな。これっぽっちも飽きねぇ」
「あ……そう…」
とリタは小さく溜息を漏らす。
「何落ち込んでんだ?」
「なっ…別にそんなんじゃっ……………っ!」
ユーリがもう一度、顔を寄せてリタにキスをした。そして再び寝転がる。
「判りやすいのに否定するってのは、素直じゃねー証拠だぜ。こういう時ぐらい、本音を聞かせてくれやしねーか?」
「うん……その…あ、アスピオの再建、手伝って…」
そこまで話したリタは、ユーリの両目が瞑られていることに気付いた。
「……くれないよね」
「………お前がその気になれば、手伝ってやらねぇこともないぜ」
「え…?それって…」
「詳しく聞くなよ。ただそれだけだ…」
「あ……ありがとう…」
と言って、今度はリタみずからユーリの顔に重なった。
「んっ…」

リタとユーリで、二人で岩の上に横に並んでいた。
「あーあ…流石に眠気が失せたな…」
「結界ってさ、防音機能付いてたよね…」
「何するつもりだ?」
「詳しく聞かないでよ。好き好んで言うセリフだと思う?」
「思わねぇ。どうなってもしらねぇぞ」
「いいわよ…その、好きにしてくれていいから…」

岩場の上でユーリは仰向けとなったリタの上に被さるようにしていた。
「ほんとに…その…入れても…いいのか?」
と、ユーリはリタに問う。
「いいわよ…少し怖いけど…でも、大丈夫だから」
「痛かったりしたら教えろよ…な」
ユーリはリタの股間に自分のそれを押し付けた。
「んっ……!」
たちまちリタの顔に苦渋の表情が見て取れる。
「んっとに、大丈夫か?正直俺ぁ心配なんだがな」
「大丈夫っ…来てってば…」
「俺も初めてなんだから、よく判んねーだけどさ」
と、ユーリは徐々に性器を押し込んでいった。
「あ、ぁっ、あっ、はぁっ、んっ…」
「これで限界か…」
「もっと、入んない…?」
「これ以上は多分無理だぜ」
「嘘…もっとこう…」
リタは自ら、ユーリの体に体を近づけていった。
「んっ…あっ……く…」
「あー確かにもすこし行けたな」
(どんなに能天気なのよ…っ!こいつ…っ!あたし必死なのに…)
何とか処女膜は裂けずに拡張しただけで済んだ
(こ…これなら…大丈夫よね…多分)
「で、どうすんだ?終わりか?」
「ば…ばかっ!そんなの許さないから…最後まで責任とってよ…!」
「わぁーったよ。痛いかもしれないが、我慢しろよ」
「う…うん」
とやりとりをすると、ユーリは徐々に出し入れを始める。
「あぁ…あっ、あ…!あぅっ…っはぁっ!んっ!」
と、異物感に近いモノがあったが、徐々にその意識も薄れていった。
「もう…少しっ!…んっ…!強くやっても…いいよ…っあん!」
「判った。文句言うなよ……なっ!」
とユーリは加速した。
「ば…ばかぁっ!ひっ…つ…強すぎるわよっ…!んああ!」
「悪いなっ…加減が…判らねぇっ…!」
ユーリもまんざらではない御様子。リタも、
「あっ!は…激しっ…!も…もっとっ!…ユ…ユーリの…頂戴っ!」
「我侭だなっ…!どうなってもしらねぇぞ!」
とユーリは更に速度を上げた。リタの片方の腿を掴み上げ、入れやすい体制に変えてやる。
「ひぅっ!…あっ!んやぁっ!ふ……だ…だめ…ぇ…っ!」
「おい…リタ…俺も、ちとやばいかもしれねーわっ…!」
「あんっ!ひっ!あああ!い…いいのっ!そのまま、中に…っ!」
「くっ……ぁあ…!」
「んっ!ふぁっ!だっ…だめぇ!あたし!…あん!ぃくっ!…イっちゃう!」
「リタ………っ!!」
「ユ…ユーリっ!…んんぁっ!ああああああああ!」
ユーリはリタの体を前屈して抱え込みながら、リタの中に自分の今の全てを出した。

「タルカロンに乗り込むのは明日だからね!今日中に「レッパショウ」とかいう技を使う魔物を見つけて、超振動の欠片を取ろう!」
「「「オォ〜〜〜!」」」
カロルの掛け声に、ジュディスとエステル、レイヴンが便乗する。
エステルの後ろで「ワゥーーー!」と雄叫びを上げるのは犬のラピードだ。
「って……あれっ?」
カロルは突き上げた手を下ろして、ユーリに歩み寄った。
「どしたの?ユーリ。元気ないね」
「んっ…?あぁ…昨日考え事でちと眠れなかったんだよ」
「そう…?リタはどこに行ったの?」
「まだ寝てるんじゃねぇの?」
それを聞きつけ、ジュディスが近寄った。
「あら珍しいわね。彼女が寝坊なんて」
更にそれを聞きつけ、おっさんことレイヴンが腕の袖を捲り上げた。
「うっし。なら俺様の出番よ。王子のちゅーで姫は目を覚ますんだよな。確か」
と、レイヴンが歩き出したと同時に。
「来るなあーーーーー!」
大絶叫と同時に赤い奇妙にガチガチに凝固した塊がレイヴンに飛んで来た。キノコパウダーMAX。
「ちょ!うわっ。誤って口に入ったら大事になってたよオイ!」
「うっさいわね。おっさんの言い訳聞いてるほど、あたしも暇じゃないのよ!タルカロンの術式の展開速度を計算してただけよ!」
「おぉ。流石リタっち」
「ったく……ほら、行くわよ!」
「わっ!待ってよリタ!凛々の明星はリーダーは僕なんだよ!?皆ー続けー!」
「馬鹿っぽい」
そう言ったリタは、踵を返すとユーリの隣で歩き始めた。
「昨日のこと、忘れてないでしょうね」
「判ってるって。旅が終わったら…な?
それを聞いたリタは、彼女にして見せない無垢な笑顔をユーリに向けた。
「あ…ありがとね」


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